文部科学省も注目する非認知能力はどうやって育てるのか?ボーク重子さん流「非認知能力」の具体的な育て方が詰まった本

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最近よく聞く非認知能力という言葉ですが、2児の母なのにぶっちゃけよくわかっていませんでした。

  • 非認知能力とは何か?
  • なぜ注目を集めているのか?
  • 非認知能力を育てる具体的な方法は何なのか?
  • ボーク重子流の子育ては、発達障害児の子育てにも役立つのか?

そんな疑問を持ちながらこの本を読みました。

結論から言うと、発達障害児ワーママの私でも、この本をヒントに子供の非認知能力を育てることはできると思えました。

それは、ボーク重子さんという魅力的な女性のおかげかもしれません。

この記事では、ボーク重子さんの著書「『非認知能力』の育て方 心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育」を読んだ感想をご紹介します。

文部科学省も注目する非認知能力とは?

2020年の教育改革で、総合的な人間力である「非認知能力」を伸ばすことが言及されました。

この書籍の中で非認知能力は次のように説明されています。

「正解のない問題に、自分らしく立ち向かって解決していく力」

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

これだとピンと来ないと思います。

具体的な例をご紹介しましょう。

ある子がミニカーで遊びたいと思いました。

しかしミニカーは別の子が遊んでいました。

あなたの子は「貸して」と言いました。

しかしその子は「ダメ」と言いました。

ここでどうするか?

順番に遊ぼうと言う。

別のおもちゃと交換しようと言う。

もうしばらく経ってから再度貸してとお願いする。

諦めて別のおもちゃで遊ぶ。

色々な答えがあると思います。

正解はありません。

このように答えの決まっていない問題に、自分なりの答えを出す力を非認知能力と定義しています。

自分から動く力、その場に合う対応をする力、クリエイティブな力、我慢するちから、自分を認める力などなどが、非認知能力に含まれます。

文科省が非認知能力に注目するのはなぜか?

ではなぜ非認知能力がコレほどまで注目を集めているのでしょうか?

それにはちゃんとした裏付けがあったのです。

研究の結果、乳幼児期などの早期教育では、学習面を強化しても、IQの数値を短期間高めるだけ

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

「非認知能力」には、人としてのあらゆる良い資質が含まれます。(中略)こうした力は将来の年収や学歴、職歴などに大きな影響を及ぼし、成功のための重要な要因となります。

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

非認知能力を高めることで、年収にまで影響があることが研究の結果として現れているのです。

もちろん年収が高いことが良いとは一概には言えないと思います。

しかし、人生を豊かに暮らせる一つの力であるのは間違いありません。

この本では、色々な研究結果を踏まえて非認知能力の大切さが書かれています。

研究結果については、専門用語を使わずに紹介されているので、わかりやすかったです。

参考)認知能力の育て方がわかる本

学校のテストでは測れないのが非認知能力。

一方で学校のテストで数値で測ることができるのが認知能力です。

認知能力の大切さについては、「ケーキの切れない非行少年たち」で書かれています。

認知能力を訓練するには、コグトレが著書の中でもオススメされています。

我が家の息子は軽度知的障害を伴う自閉症スペクトラムの診断を持っています。

療育の先生からも認知面の強化をすることをおすすめされました。

「ケーキの切れない非行少年たち」を読んで、認知機能を強化する必要性を感じました。

そこで、紹介されていた「やさしいコグトレ」を購入し、たまにやっています。

家庭で非認知能力を育てるための3つのこと

では非認知能力はどうやって育てればいいのでしょうか?

非認知能力は家庭でこそ高めることができるとされています。

我が家では子どもの「非認知能力」を伸ばすため、特に「家庭でのルールづくり」「対話」「遊び」の3つにフォーカスしていました

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

ポイント①:対話

「対話」については、

  • どんなふうに子どもに質問すればいいか?
  • 読み聞かせの大切さ
  • 否定的な言葉のデメリット
  • 効果的な褒め方

など、ボーク重子さんと娘さんの経験談と色々な研究結果からわかる対話の重要性が語られています。

ポイント②:遊び

「遊び」については、

  • 外遊び
  • 子ども同士での遊び
  • スポーツ
  • 料理

と多面的な視点と、実際にボーク重子さんが取り組んだ遊びの思い出が書かれていました。

全米最優秀女子高生コンテストで優勝した娘を育てた「遊び」なんて真似できるの?

と思ってしまいますが、本で紹介されていたのは、UNOやトランプのボードゲームや公園でお友達と滑り台をするなど、私たちにも身近な遊びでした。

非認知能力を育てる遊びについて詳しく知りたい方はこちらの本がオススメです。

ポイント③:ルール作り

そして「ルール作り」です。

社会性や自制心、責任感を高めなければ、子どもはただのわがままで「迷惑な、出る杭」になってしまいます。ルールを理解して守ることができる社会性を身につけた「愛される、出る杭」になることが重要です。

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

確かに私たち大人が暮らす社会では、身の回りにはルールがたくさんあります。

子どもが過ごす家庭でも、家庭でのルールを作り、そのルールの中で過ごすことで、小さな社会を体験することができます。

この本では、もちろんボーク家のルールについても紹介されていました。

家族にとって本当に大切なことを以下の4つに絞り、基本ルールとしたのです。

・Plite(いつも礼儀正しくする)

・Honest(正直に生きる)

・Autonomy(主体性:自分でできることは自分でやる)

・community(家族の責任ある一員として生きる)

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

しかし、いきなり家庭のルールと言われても作りづらいですよね。

大丈夫です。この本には「重子特製ワークシート」が載せられています。

  • 家族の目標
  • DOルール
  • DON’Tルール
  • ルールを破ったとき

を書くようになっています。

このワークシートを使って私も我が家のルールを考えてみました。

家族の目標

  • 素直でいる
  • 自立する
  • お互いを認める

DOルール

  • 挨拶する
  • 感謝を伝える
  • 自分のことは自分でする
  • 自分のことができないときはきちんとお願いする

DON’Tルール

  • 他の家族にやつあたりしない
  • 他の家族を無視しない
  • 人の悪口を言わない
  • 暴力を振るわない

ルールを破った時

  • 正しくやり直す
  • 謝る
  • 間違いを反省する

この本では、ルールは子どもを含めた家族で話し合って決めるのがいいと紹介されています。

ここで記載した我が家のルールは、まだ私だけが考えたルールです。

子ども達や夫と家庭のルールについて、また話してみたいと思います。

「非認知能力」の育て方の著者ボーク重子さんとはどんな人か?

ボーク重子さんは、現在、ライフコーチとして活動されています。

2017年に娘が全米最優秀女子高生コンテストで優勝し、その子育て法に注目を集めました。

2018年に執筆した「世界最高の子育て」がベストセラーとなっています。

30歳で渡英し、美術系大学院で修士号を取得。

アメリカ人の夫と結婚・出産し一児の母となりながら、2004年にワシントンDCでギャラリーを起業。

2006年には、オバマ大統領(当時上院議員)らと共にワシントン誌上で『ワシントンの美しい25人』に選ばれています。

これをきいて皆さんどう思いました?

私は「そんなすごい人の子育ての真似なんてできない。。。」と思いながらも、

「どうせ意識高い系ママだ。。。」と心の片隅で思いながら読んでいました。

しかしこの本では、ボーク重子さんの子育て失敗エピソードもたくさん紹介されています。

自らの失敗を著書で書くのは勇気がいることだと思います。

しかし、そうしてでも親たちに伝えたいことがある強い意志・パッションを感じました

Bork Shigeko - TOP
ライフコーチ・ボーク重子が伝えることは非認知能力を育む教育法と科学的データをベースとした「自分らしい幸せな人生を勝ち取るスキル」。たった一度の人生だから自分の可能性を最大に発揮して自分らしく思いっきり生きたい。そんな子に育って欲しい。あなた...

親は完璧ではない。親の逃げ道を作ってくれる本。

このように著者ボーク重子さんは、とても住む世界が違うように感じました。

それでも、ボーク重子さんとは全く違う私でも非認知能力を育ててみようと思えたのは、

著書の中で、「親は完璧ではない」という逃げ道を作ってくれていたからです。

「子どものためには、親はこうするべきだ」

「私の提案する方法ができないのはダメな親だ」

とお説教されるのではなく、

「親だって人間。失敗することはある」と、所々で自らの失敗エピソードも語られています。

母親といっても人間ですから、どうしてもイライラしたり、ストレスが溜まったりすることもあります。

(中略)だから私は、その前に「健全な吐け口」を用意して、全部出し切ってしまうことにしています。

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

そして、失敗したときはどうしたのか?どうすればいいのか?がわかりやすくかかれているので、

親自身の自己肯定感も下げることなく、子育てに向かっていけます。

発達障害児でも非認知能力を育てられるのか?

私の息子は軽度知的障害を伴う自閉症スペクトラムの診断をもっています。

この本を読むまでは認知能力ばかりに目が行きがちでした。

それは親の私が勝手に、息子には考える力はない。

だから「私が全て教えないといけない」という考えがあったからだと思います。

でも彼が困難にぶつかった時に、一人で乗り越えられるようにすることは難しくても、

どうすれば乗り越えられるか考え、必要な支援を求められるようにするには、

非認知能力が必要だと思いました。

私がこの本で、コレ我が家でも取り組めるかも!と思ったのがフィーリングボードです。

「フィーリングボード」というものを使って、気持ちを的確に表現する方法をとっていました。2歳児なら、「ハッピー/怒っている/悲しい」の3つの文字と絵が書かれているボードを使い、感じている気持ちを言葉にするのです。

出典:ボーク重子 『非認知能力』の育て方心の強い幸せな子になる0〜10歳の家庭教育 小学館

自分の感情を観察することで、自分を客観的に分析できるようになります。

これは発達障害などで発語がない子などの場合にも、視覚支援として取り入れられています。

自分の気持ちがどんな状態なのか理解して、どうすればいいか考えたり、絵カードで相手に気持ちを伝えたりします。

考えてみると、療育は非認知能力を育てる場でもあるのかなと思いました。

相手に要求をするためには、どうしたら伝わるのか?

その手段が何であれば自分が伝えられるのか?

フィーリングボードをはじめ、ルールづくりなどをしてみようと思います。

この記事を書いた人
ママランド

時短勤務の会社員SE (システムエンジニア)ワーママ。1985年生まれ。夫と、軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症の息子・定型発達の娘の4人ぐらし。発達障害児とワーママが心にゆとりのある暮らしを目指して発信しています。

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