ペアレントプログラムってぶっちゃけどうなの?発達障害児ワーママが参加した感想。

発達障害

発達障害児ワーママの私ですが、ペアレントプログラムというものに参加してきました。

この記事では、

  • ペアレントプログラムの実際の内容
  • ペアレントプログラムで感じたメリット・デメリット
  • ペアレントプログラムの受講をお勧めする方・そうでない方

を紹介します。

ペアレントプログラムとは

ペアレントプログラム、略してペアプロ等と呼ばれることもあります。

この言葉を初めて聞いた方もいらっしゃると思うので説明しますね。

ペアレントプログラムの概要

ペアプロとは子育てを応援してくれるプログラムで、子供を褒めるコツを学ぶことができます

発達障がい者やその家族等を支援する事業の一環として用いられている手法です。

厚生労働省のHPには下記の様に説明されています。

ペアレントプログラム別ウィンドウで開く
子どもや自分自身について「行動」で把握することで、保護者の認知的な枠組みを修正していくことを目的にした簡易的なプログラムです。「行動で考える」「(叱って対応するのではなく、適応行動ができたことを)ほめて対応する」「孤立している保護者が仲間をみつける」という3つの目標に向けて取り組みます。
「障害」という言葉を使用しないで、子育て支援での活用もできます。

出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hattatsu/gaiyo.html

 

ペアレントプログラムの目的

発達障害児の子育てに難しさを感じている保護者の方は多くいらっしゃると思います。

そんな難しい子育てのコツをつかむことがこのプログラムの目標です。

子育てのコツとは、具体的には

  • 子どもを褒め上手になる
  • 子どもが何ができて、何が難しいかが理解する
  • 子育ての難しさの中にあるいいところを見つける

ことです。

また、もう一つの目的に、同じ悩みを持つ仲間を見つけることがあります。

ペアレントプログラムの対象

このプログラムは、発達障害児本人が受けるものではありません。

発達障害児の保護者や関係者に向けたプログラムです。

私が出席したペアプロでは、お母さんがほとんどでしたが、中には孫が発達障害というおばあちゃんも出席していました。

もちろんお父さんやお爺ちゃんでも参加可能です。

ただ、実際は母親が多いことが予想されます。

ペアレントプログラムの特徴

このプログラムは1回ではなく、2週間に1回の全6回(期間にして3ヶ月)にわたるプログラムです。

プログラム内では、ペアワークや発表があり、自宅で取り組む簡単な宿題があります

 

ペアレントトレーニングとの違い

よく似たものにペアレントトレーニング(通称:ペアトレ)があります。

これも発達障害児の家族を支援する技法のひとつで、厚生労働省のHPには下記のとおり説明されています。

ペアレントトレーニング別ウィンドウで開く
保護者や養育者の方を対象に、行動理論をベースとして環境調整や子どもへの肯定的な働きかけをロールプレイやホームワークを通して学び、保護者や養育者のかかわり方や心理的なストレスの改善、お子さんの適切な行動を促進し、不適切な行動の改善を目ざす家族支援のアプローチの一つです。
地域においては、発達障害児の支援機関等で実施されることが多いです。

ペアレントプログラムとペアレントトレーニングの違いは、

ペアプロは、ペアトレよりも「行動で考える/見る」に特化されている点です。

ペアトレの基礎として、ペアプロが位置づけられています。

ペアプロは専門スキルのある講師がいないと開催されません。

一方で、ペアプロは全国で普及可能な構成になっています。

ぺアプロを受けた私の感想

ここからは、実際に私が受講した内容と受講後の感想をご紹介します。

ペアレントプログラムの具体的な内容

息子の療育機関が主催する無料のペアレントプログラムに参加しました。

全6回で1回あたり1時間半程の講座でした。

内容は下記のようなテーマです。

  1. 現状把握表を書く
  2. 行動で書く
  3. 同じカテゴリーを見つける
  4. ギリギリセーフを見つける
  5. ギリギリセーフを極める
  6. ペアプロで見つけたことを確認する

ペアプロにはマニュアルがあります。

どこで受けても上記のような内容でプログラムが展開されていくと思います。

ペアプロは一貫して現状把握表を使います

どのようなものかというと、下記のような形式の表です。

現状把握表【子供編】

カテゴリー いいところ 努力していること 困ったところ
保育園 毎日登園する 嫌いな制服を着る 自分で片付けをする
テレビ 自分でTVをOFFする 20時にテレビをOFFする 画面に近づく

これを講義内で書き出したり、隣に座っている人と見せ合ったり、宿題で書き直してきたりしました。

毎回指定されたペアになって、相手の現状把握表をみて

  • 「これは困ったところというより、努力していることでは?」
  • 「これだけできればいいところですよ」

とお互いの内容をブラッシュアップしていきます。

この現状把握表は自分編と子ども編があります。

自分編は講義内で書いて、子供編は宿題になったりしました。

宿題の内容は、

  • 現状把握表をさらに追加して書く
  • 綺麗に清書
  • 身近な大人に見せる

ことなどがありました。他にも、

  • 子どもを具体的に褒める
  • 身近な大人を褒める

ということもありました。

講義内では、褒めたときの相手のリアクションを発表することもありました。

最後にはペアプロの終了証をいただき、感想を求められて感極まる方もたくさんいらっしゃいました。

ペアプロを受けて良かったこと

私は、子どもに対しては≪褒めて育てよう≫ということだけは決めて、子供に接してきました。

ですが、子どもを褒めながらも、

  • この褒め方でいいのか
  • ただの甘やかしているのではないか

と、自分の子育てのやり方に自信がありませんでした。

このペアプロを通して、私のやってきた≪褒めて育てる≫は、正しいかはわからないけど、間違ってはいないなと思いました。

また、発達障害児の子育てはスモールステップでとよく言われますが、そのスモールなステップも踏めないことが多々あります

でもそんなときは、ステップアップできなくても、全く他のことを褒めて、ステップアップできなかったことなんて、薄めてしまうのもありなんだなと思いました。

ペアプロを受けなきゃよかったこと

私はペアプロの受講を申し込んだとき、ペアプロのことを全く分かっていませんでした。

「子育てのコツ」がわかるということだったので、

  • 子供に良い褒め方がわかったり
  • 具体的な子育てのやり方(ライフハック的な)

が知れると思っていました。これは完全に勘違いでした。

ペアプロは子育てに自信がない、子どもを褒められないという保護者に向けたプログラムです。

なので、結果的に需要と共有が成り立たない結果となってしまいました。また

  • 下の子(当時1歳前半)を講義に同伴
  • 会場への移動
  • 1時間半の講義とペアワーク
  • 帰宅後の宿題
  • 3ヶ月も通う

手間がかかる割には、子育てが楽になった実感が薄いのでコストパフォーマンスが悪いと思いました。

ペアプロが向いている人・向いていない人

ペアレントプログラムは、独特な手法なので、自分が参加して効果があるかどうかよく吟味してから申込されることをおすすめします。

以下で、私が考えた参加を進める人、プログラムが向かない人をご紹介します。

ペアプロへの参加をお勧めしたい人

  • 子育てに限界を感じている人
  • 上手く子育てできなくて子供や自分を責めてしまっている人
  • 同じ境遇の仲間がほしい人
  • 他人と話したり、発表することが好きな人

やはり、ペアプロは子供の行動を理解して褒めることを訓練するものです。

  • 「今日もきつく叱ってしまった」
  • 「これじゃ、母親失格だ」

と自己嫌悪に陥っている場合や、

わが子なのに好きになれない等の気持ちがある方は、ぜひおすすめです。

そのように思っている仲間はたくさんいるということもわかりますし、

どうやって子供を褒めればいいか、褒めるポイントはどこにあるのかということがわかります

ペアレントプログラムに向かない人

  • 特に子育てに困っていない
  • 他人と話し合うのに抵抗がある
  • 人前で発表するのが苦手

前向きに子育てできている人は、あまりメリットが多くはありません。

現状の確認だけになります。

私は正直、最終回で感想を言いながら涙されている方をみて温度差を感じました。

また、ペアプロでは初回からペアワークがあります。

  • 知り合ったばかりの他人
  • 自分や自分の子供のことを話すのは抵抗がある
  • そもそも人と話すのが苦手な人

は、かなりストレスが高いと思います。

初回は自己紹介がありましたし、ワークの後は発表、毎回の宿題の発表などがあります。

発表する内容はテンプレートが提示され、簡単な発表です。

しかし、あまり人前で話すことが得意でない人はお勧めしません。

私が受講したペアプロも初回は10人以上いましたが、2回目からどんどん人が減り、最終的には6名まで減りました。

以上、ペアレントプログラムについてご紹介しました。

もし皆さんが受講を考えられている際の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人
ママランド

時短勤務の会社員SE (システムエンジニア)ワーママ。1985年生まれ。夫と、軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症の息子・定型発達の娘の4人ぐらし。発達障害児とワーママが心にゆとりのある暮らしを目指して発信しています。

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